2015.02.16 Monday

Sleigh Bells / Treats

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    帰り道、いつものように少し遠回りして歩いていた。寒さも一段落し夜の漆黒はあたたかく優しい。

    ホッピーをきめて少しいい気分だ。少しばかり平衡感覚をなくしている浮遊感が逆に心地よくてその無重力を使って縁石の上に飛び乗ったり、降りたり自由自在。


    鼻歌が口をついて出た。菅原都々子の「月がとっても青いから」は名曲だ。

    月がとっても青いから 遠回りして帰ろう。

    この冒頭のキラーワードにキラーメロディ。モダンにしてクラシック。

    冒頭はロマンがあるがこの曲は聴き進むとなかなか苦く悲しい結びとなる。

    ロマンの中に人生の苦みを噛み締めた本当のホーム・グロウン・ソングとなっているのだ。

     

    さあ続いてお届けするのはぐっとロッキンに、スレイ・ベルズ。ド・ハードロックなギターとチープでビッグな打ち込みに時にドリーミーポップな女子ボーカルが時に美メロを歌ったりパンクにシャウトしたりする。このクールネス、破壊的に不気味。2010年代のハードロック革命だ。



    そんなことを呟きながら歩いていると急に正面から光があらわれた。警官が懐中電灯を向けている。

    「お帰りですか。・・・」

    「そういうことだね。」

    悪いけど、財布の中を見せてもらっていいかなと警官は言った。

    おいおい、それどういう意味だ。見せてやっても別にいいけど?

    最近このへんで金属片を振り回している人がいると通報があった、と警官は言った。

    へえ、そんな奴がいるの?この街に?そりゃ危ないよ。捕まえてもらわなきゃ。寒いのに大変だね。

    警官は儀礼的に財布を見渡した後どうも失礼しましたと返した。それから自転車に乗り去り際に「何か起こる前でも、見つけた時点で通報してもらうようになっている」と言った。

    はい、ごくろうさん。頼むぜマジで。と声をかけた。金属片?テロか、サイコ野郎か。

    冗談じゃないぜ。街の人たちにはその暮らしがあるのだ。ましてやうちの彼女だってこの道を夜通って帰るはずだ。日本の警察・・だいじょうぶか?とにかくやっこさんたちに守ってもらわにゃならん。


    まったく世も末だ。夜空の月だけは20世紀と変わらずに青かった。

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